2014年08月23日
グソーからの伝言
グソーからの伝言
比嘉淳子 双葉社
副題に「沖縄怖イイ話」とあるが、基本的にホラーではなく、霊感が高い筆者の体験談である
グソー(後生)は筆者が言う通り、沖縄では遠い世界ではなく、特別恐れおののくものでもない。・・・考えると、言葉など文化の基底を同じくするヤマトとこれは決定的に違うのは興味深い。縄文人の思考様式はどうだったのか?ケガレはどこの流れから来た思想なのか?
最初の5行目で「テーマパークに遊びに行かれる」と、沖縄的表現が出てくるが(校正ミス?)、文の構成がなかなか巧みでグソーと現世がシームレスな沖縄の精神世界観を知らない人でも入っていきやすいのではないか。硬軟織り交ぜた文体と言い、ホラーチックな表現と笑いのバランスと言い中々巧みで、まずは単純に読んでいて面白い
その一方で、人生や人間、倫理についてしっかりと語りかけてくる・・・だからタイトルは「伝言」。
でも、本土の人が読むと「ゆたむにー」としか見ないのかな、やっぱり
金儲けだけの霊能者もいつの時代も、どこにでもいるからね
Posted by 比嘉俊次 at 22:19│Comments(0)
│小説