2013年09月16日

金閣寺

金閣寺金閣寺
三島由紀夫
新潮文庫 113刷
590円

三島の名を確立した普及の名作・・・
確かに素晴らしい作品。特に「文芸」とも言うべき技巧はまさに「鑑賞」に値する
強弱、緩急、動静、明暗、乾湿・・・一つの小説で見せびらかすような多彩な筆致。しかし全体に精密さと剛性感が通底し独特のしっとりとした重みを醸し出している

大学生のころ読んだときは、つまらないと思ったが、この文章の完成度の高さを今は理解できる

しかし・・・古い。実際に60年近く前に発表されただけに古いのは当然だが、そういう意味ではなく古さを感じる

何が古いのか?
「認識」と「行動」とか言ってるのが古いのか
スピード感あふれるクライマックスの後、「生きようと思う」とか言って終わる構成が古いのか
脚注を見返しながら読まなければいけないスタイルが古いのか

いずれにしても夏目漱石の作品は「時代」を感じても「古さ」は感じない
いや、古いというより、今の時代と合っていない、あるいは戦中~戦後という時代設定が古典としてみることを阻んでいるだけかもしれない

どのページを開いて読んでも、読み込んでしまう文章でありながら、もう一度読み返そうとは思わない。そんな感じ

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Posted by 比嘉俊次 at 21:30│Comments(2)小説
この記事へのコメント
村上春樹のデビュー作

風の歌を聴け

まあまあ
でも好き
春樹ワールド

160ページしかないので
1時間45分くらいで読み終わった。

場所は缶ジュース代の110円しかかからない上にスタンド灰皿も置いてあるありがたい

パレットくもじの2階のベンチ

青空読書
Posted by キューピーちゃん at 2013年09月28日 18:04
三島由紀夫作一冊読んだ事あるが思想が難しい、武者小路実篤、川端康成、島崎藤村の夜明け前、破壊などと同時読みだったので、再度思い出して金閣寺読んで見たいです
Posted by 鳴海 有松 at 2013年10月08日 18:54
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