2010年02月14日

月と6ペンス

月と6ペンス 会議や取材で出張が決まると
 すかさず周辺のイベントを検索する

 面白そうなのが見つかると
 その場所と仕事先の位置を考えて宿を決める

 去年は幸運にもゴーギャン展
 (国立近代美術館)が重なっていた

 悔しいことに東京の美術展はやっぱり本格的で
 『我々はどこから来たのか・・・』もある

 やっぱり大都市が国内にあるのはいい

絵は詳しくないけど、ゴーギャンと聞いて、チャールズ・ストリックランドを思い出した
モームの『月と六ペンス』の

浪人時代に読みかけて「小説読んでいる場合じゃない」と途中放棄したままだった・・・

ゴーギャンを見る前にと、本屋で探すと新潮社版がまだあった(たしか昔からこのデザイン・・・)
モーム本人がどう思うか知らないけど、モームはこの新潮社の装丁が一番イメージにあう

同じイギリスでもJアーチャーのような大英帝国臭(嫌いじゃないけど)のようなものがなく読みやすい

「読みやすい」といっても、その世界が軽いわけでも小さいわけでもない
もったいぶった表現が少ないだけで内容は十分にある

世界的に表面的な言葉の技巧で「格」が決まるような傾向が文学の世界にはあるが
そんなことをしているから、小説から人が離れてしまうんじゃないだろうか

「自己の内にある表現できないもの」を追い求めて・・・だからモームはゴーギャンをモチーフにしたんだと思う
そうゆう意味で夏目漱石に通じるものを感じる

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Posted by 比嘉俊次 at 13:55│Comments(3)小説
この記事へのコメント
伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」が好きです。

それから、これは読むのが大変なのですが、平野啓一郎の「葬送」は大作だと思います。

若い作家ばかりですが、かなり実力派だと私は思っています。
Posted by キューピーちゃん at 2010年02月14日 19:52
『自己の内にある表現できないもの』か…なにかを伝えたいからこそ表現したいのに、でもできない。私の場合『表現できない』のではなく『表現が下手』なのかな
特に“愛情表現”が…その反動で極端な行動にでたり
でもそんなの言い訳にしかならないかな
そして今でも私は答えをさがしてる。自分自身が納得するような
そして二度と会うことのない人に伝えるため
この際「答え」だろうと「言い訳」だろうとどっちでもいいんです、言葉で表現できれば
Posted by サナ at 2010年02月15日 09:16
お疲れ様です。
色々なジャンルの本がある中で、比嘉さんのお勧めの本教えて頂ければ嬉しいです。

それにこのブログも色々な情報を得られそうなので、裏ということで、こちらも楽しみにしています。

表、裏版共に無理しない程度に更新してください。

表版より、裏版の更新が多かったりして(笑)
Posted by ume☆ at 2010年02月15日 14:33
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