2013年07月17日

あなたの中の異常心理

あなたの中の異常心理
岡田尊司

一見、ありがちな心理学の本だが、実在した人物や芸術作品を引用した具体的な解説で断然納得し解しやすい

ただ「誰もが異常心理を抱えている」という期待通りの小見出しからスタートし、ページが進むにつれ「あなたの中の異常心理」というタイトルから離れて行ってしまうのは少し残念。タイトルは編集者が後から付けたか?どちらにしても、手に取ってみたという事は成功。さすが幻冬舎

「異常心理=精神障害」「多くの異常心理の萌芽は幼い段階にあり、多くの人は成長とともに克服していく」とのまえがきからスタート

第一章は「本当は怖い完璧主義」
三島由紀夫やガンジーなどを例に挙げながら、その極端な行動とその源泉・原理を解説

二章は「あなたに潜む悪の快楽」
行為の自己目的化とそれに対する一般社会の生理的な反発。そして自己目的化する行為によって短絡的な快楽回路が出来上がり、無限にループ。他者の介在がなくなると歯止めを失いやすい
愛されないことが悪を生み、やがては「認められないことを嘆くより、自ら認められない存在になろう」という価値の逆転によって自己否定を肯定に変えてしまう

第三章「敵を作り出す心のメカニズム」
妄想分裂ポジション=自分の意思を邪魔するものはすべて敵。抑うつポジション=不快の原因は自分にあるのではないかと考える。抑うつポジションが発達するためには全体的な視点を持つことが求められ、その達成には十分な共感の下で自らの非に向き合う必要がある
支配感・征服感・軽蔑という自己防衛。支配欲こそは人間の根源的な衝動なのか?そして支配は中毒になる→スタンフォード大の監獄実験(ミルグラム実験)。社会的役割が個人を超えて、その人の行動を支配する→非個人化。看守役は看守らしく、囚人役は囚人らしく古○用になってくる
ラべリングは問題解決を困難にする心理プロセス。先入観の産物


七章「罪悪感と自己否定の奈落」
問題に行き当たるとき、ユングは正面から向き合うようにしていた。問題の回避は目先の破たんを避けるメリットはあるが、本当の回復を遅らせる、と

同じカテゴリー(科学)の記事
10月13日の記事
10月13日の記事(2018-10-13 13:12)

悪癖の科学
悪癖の科学(2017-08-23 10:35)

知性の限界
知性の限界(2014-06-01 17:36)

天才数学者列伝
天才数学者列伝(2014-04-05 13:00)

Posted by 比嘉俊次 at 15:40│Comments(2)科学社会
この記事へのコメント
心理学
大事ですよね。
統合失調症という先天性の精神病を抱えて生まれ生きてきた私にとってとても興味深い分野です。

いつかは心理学を勉強したいと思っています。

それから、私事ですが、結婚相談所からのお見合いがあまり上手くいかないので、6月半ばから働き始めました。

通勤時間
徒歩4分でアットホームな職場で
今度こそ続きそうです

1日3時間勤務の週休2日なので、並行して、お見合いも続けます。

今まで、久茂地界隈で働いてきました。通勤だけで疲れてしまうことが多くて、考え抜いて、6月末に、家から徒歩4分のところにオープンしたコンビニに勤めることにしました。

オープンまでは他の店舗で研修を受け、実際に売場にたち、ミスを繰り返し、やっと、レジをマスターしました。

新店舗の下準備もしたので、とても店に愛着があります。

家から徒歩4分なので、親戚や同級生がよく来ます。

俊次さんがいつか偶然に立ち寄る日を、お待ちしております。

では、そろそろザ・ニュースが始まる時間なので、テレビをつけます。

さようなら
Posted by キューピーちゃん at 2013年07月17日 17:55
やっと

カラマーゾフの兄弟

を読み終えました。

2ヶ月半かかりました。

難解で
あまり理解できませんでした。
Posted by キューピーちゃん at 2013年07月31日 04:04
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。