2014年12月31日

「反日」中国の文明史、「失敗」の経済学史

「反日」中国の文明史、「失敗」の経済学史

今年の年末はバスの中でも資料を読んだりメールを打ったりで忙しかった。まとめて3冊


①「反日」中国の文明史 平野聡

なぜこんなタイトルにしないといけなかったのか?というぐらい中国の文明史を真面目に読み解いている読めば良書。
宗教でもイデオロギーでも巨大な思想は現実との矛盾に苦しむが、古代近隣に比べるものがないほどの先進性を誇った中国の文明も、西国の秦が力を増したころから多くの挫折と曲折を経ているのを改めて俯瞰できる
また「小中華」というのは東アジアを読み解くキーワードと言えそう。


「失敗」の経済学史 川北隆雄

様々な要素、そして「運」も絡んでいるだけに経済も他の国策同様「事後評価」にならざるえない。その点には筆者もおおむね寛容だ。だが同時につまらない情実の人事や問題意識のなさを問うているのは現場の記者らしい視点。淡々としていてニュースダイジェストを読み返すようで面白い。
しかし経済が数学で書かれるようになって久しいが、やはり大義名分さえ立てば(こじつけはいくらでもできる)大事より私事、公理より私見を優先するのが人間か


領土の常識 鍛冶俊樹

これは残念な本。事実誤認や論理の逆転が明らかな部分が自分が分かる分だけでも数カ所あり、読んでも大丈夫か?と思わせてしまう。マラソンの距離がなぜ42.195キロなのかぐらいは編集者が指摘してあげないといけないだろう


Posted by 比嘉俊次 at 15:39│Comments(0)
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