2014年06月01日

「通貨」を知れば世界が読める

「通貨」を知れば世界が読める「通貨」を知れば世界が読める
浜 矩子 PHP新書 

雑誌のコメントやコラムでここ数年よく見かける同志社の浜田教授
だが意外と単行本を置いているところが少なく、初めて購入

2011年の少し古い本だが「通貨」とは何かと、基軸通貨をめぐる歴史についてだが、いかんせん新書ではどっちつかずになっているのは惜しいが、読み物としては面白くまとめてある。あと200ページあれば・・・

読んでいて、ふと思ったのは「通貨」と「言語」の類似性というか、裏写しの部分というか。基軸通貨と地域通貨には、統一に向かおうとする大きな流れと、新しい言語・仲間内だけの隠語を作りたがる人間の性向を見る
そして、そもそも論。人間はなぜ言語を持ったのか。なぜ他の動物は言葉を話さないのか。言語がなければ互いの誤解ももっと少なくて済んだのではないか。言語は通貨と同じく「過剰」を生み出しているのではないか
一方で、通貨は江戸時代に「お足」と呼ばれたように、強ければ国境も宗教すらも超えていく。逆に言語は逆に人と人との間に壁を作りだす。カネは誰でも扱えるが、言葉はそうではない

さて「通貨の動きはほぼ予想できる」と書いてあり、本書で「1$50円」に向かうとあるが、2014年5月の時点で円は逆にふれ100円を超えている。もちろん、これは筆者が言うところの対処療法的な金融政策による、相場の「振れ」である可能性がある。この振れが大きいだけになおさら可能性は高い
しかし一方で、相場が実態を反映するのにどれだけ時間がかかるか分からないのが相場の問題なのだ。その間に事情が動いている可能性も十分にある。経済は数学だけでは説明できない
果たして1$=50円時代は来るのか。その時、国際的な「円」の取り合いとなり、疲れはてる国民が出てくる可能性はないのか
そして国民と国家、言葉と通貨の関係はこの先どうなっていくのか

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Posted by 比嘉俊次 at 14:35│Comments(0)社会
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