2014年01月24日

アメリカ型成功者の物語

アメリカ型成功者の物語
アメリカ型成功者の物語
ゴールドラッシュとシリコンバレー
野口悠紀雄

この所、文庫本のアタリが続いている。テレ東ディレクター(高橋弘樹)のちくま文庫の「演出術」も良かった

この本は2005年に週刊新潮での連載を「ゴールドラッシュの超ビジネスモデル」として書籍化したものを2009年に左に改題し文庫化したもの

金鉱が見つかった農園主=ジョン・サッターの物語は単なる悲劇としてこぼれ話的に紹介されることが多いが、器具を買い占めたサム・ブラナン、ジーンズを製品化したリーバイ・ストラウス、駅馬車サービスを提供したウェルズとファーゴ、そしてCPとWPのBIG4、とりわけスタンフォード家の物語までしっかりつないでいるのが本書の特徴
それを現代のゴールドラッシュ=シリコンバレー黎明期からの物語とトレースさせている。簡単そうだがシリーズでありパラレルなストーリーを見事に整理して「物語」に仕立てている、さすが。「天才数学者はこう賭ける」の著者もこんな風に書きたかったに違いない。簡素にして十分な文

さて「社会が成功する条件」として「自由の天地に有能で意欲に満ちた者が集まり、互いに刺激を与えること」としているが・・・「沖縄はアジアの中心」と喧伝するよりも、その辺境性に注目してもらった方がいいかもしれない
マイノリティを受け入れる実績はある。新しいビジネスを始める「ヨソ者」も多く、少なからず成功者も出ている。ただそのスケールは限られる。足りないのは資本か、経営者か・・・あるいは別に島を飛び出しての成長を阻害する要因があるのか

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Posted by 比嘉俊次 at 13:47│Comments(0)社会
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