2012年10月08日

日本近代史

日本近代史 日本近代史
 坂野潤治 ちくま新書948

維新前夜の1857年から、盧溝橋事件、日中戦争へと突入する1937年までの80年を約400ページを使い解説
分かりやすい年表もなく、用語の解説も親切とは言えず、しかも話が前後する部分もままあるが、内容充実で歴史をなぞるだけでは疑問が残る部分の理解が進む

やっぱりどの時代もどこの国でも政治は政局と一体だなと。例外的に「維新」があったものの、それは西郷らが纏める力があっただけの違いかもしれない

維新の後は藩閥、続いて元勲(元老)らに続く官僚、そして政党、軍、さらにその内部の勢力争い・・・
後から歴史を俯瞰すると「なぜ?」と思えるようなことも、人の言動に近寄ってみると、勢力拡大や保身であったり納得しやすい
そうすると、重ね重ねに幕末の志士だけでなく勝などの聡明・高潔など一言では表せないほどの特別さが際立つが、西郷にしても路線争いから明治六年の政変をへて、西南の役と至る過程は「狡兎死して・・・」を連想させる

官僚と共同した政友会には戦後自民政権の原型を見るが、問題はそれが一概に「弊害」とは言えないところだろう。多くの影を含んではいるだろうが、国の安定成長という実績はあるだろう
でも、憲政会系の思想で国が運営されたなら世界は違ったものになり、日本ももっと名誉と富を得ていたかもしれない

切替えるべきポイントを逃したのか?
でも、急進的な青年将校を排した後の統制派が結局は戦争の拡大を止められなかったように、先のことはやはり分からない

人間の個別の動きは理性だけでは検討つかないし、見る方によって解釈が分かれたり、でも大きく見るとちゃんと流れがあり・・・量子力学のようだ

それにしても、この不安定なときに孫文を気にかける余裕が政治家に無かったのも仕方なしか・・・?

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Posted by 比嘉俊次 at 10:53│Comments(0)社会
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