2010年03月07日
ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日
いろんな説が出てきては陳腐化していく
小説のテーマよりよっぽど不安定
結局、経済は「個性あふれる人間」たちが作る
絶えず変化する社会の一部分の
さらにその未来を予想しようというところに
そもそも無理があるのかもしれない
マルクスもソ連崩壊前後に評価が最低で
最近は持ち直してきている
その会社自身の業績だけでなく、将来性や安定感
なにより周囲の状況、噂で上下する株価のようだ
マルクスはむしろ社会学者として安定した評価を得ているのかもしれない
この「ルイ・ボナパルトの~」も、なぜ時の有権者が後世から見ると理解しがたい-自分を窮地に追い込むような
行動をとるかが分析されているが、この行動パターンは最近でも見覚えがある
ただ恐ろしく読みにくい。まずマルクス自身が「筆を飛ばす」というか、親しい仲間に泡を飛ばすように
ののしりと反語、どこまでが本気か分からない冗談、そして知識を要求する比喩で埋め尽くされている
本文160ページほどなのに、注釈が40ページ・・・しかもちゃんとした注釈がない「山岳党」はウィキペディアにもないぞ
1回目で本の雰囲気(旧字だらけ)が、2回目で論点が、3回目で当時の雰囲気が、ようやく見えてくるという感じか
「資本論」に挑戦しようという人なら時間もあるはずだし、親切な解説書もあるが
岩波書店もタイミングを失わずに平成の改訂版を出して欲しいものだ
特に経済・社会系の人は「読んだ本自慢」の人がうんざりするほど多いが、実は理解は「孫引き」がほとんど
この本にしても冒頭の一説からして誤用が多い
Posted by 比嘉俊次 at 10:14│Comments(0)
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