「神の国」アメリカ 社会的ジレンマ 「宗教」で読み解く世界史の謎
熱狂する「神の国」アメリカ 松本佐保
社会的ジレンマ 山岸俊男
「宗教」で読み解く世界史の謎 武光誠
いずれも16年下期のベスト
まず熱狂する~はトランプ氏が大統領選勝利後に思わず手に取ったものだが、6月20日発行の第一刷だ。売れ残りに装丁したのかな・・・ナイスだ!
流行り本は買わないが、冷やかしで目次を見る、と以外に現代アメリカの宗教と政治の勢力図的な内容。
アメリカ=プロテスタントで話は終了ではなく、プロテスタント諸派の勢力、そして総和では劣るもののまとまりのあるカトリック。そしてFEN(AFN)で見たTV伝道師、メガチャーチの存在感など現代社会の知られざる一面をわかりやすくある
コンドーム配布をめぐりマルタ騎士団とフランシスコ法王の対立がニュースになったりとカトリックはまた大きな変化にある
ちなみにトランプ大統領についてはほとんど出てこない
「宗教」で読み解く、は社会学的側面からみた三大宗教史といった感じ
ヤハウェはもとはパレスチナ周辺の多神教の神の一つで、嵐の神だったというのは知らなかった
他は粗々に書くことではないので。この著者は探してみると琉球についても書いている。視野が広いわけだ
また買ってみようと思わせる
山岸俊夫の社会的ジレンマはまさに上の本と続けて読むと「宗教」とか「人間」について考えさせられる。哲学的に、ではなく社会的な生き物として
囚人のジレンマを基本として、「みんなが主義」は集団は大きな利益を得られ、人間は長い長い種の歴史の中でそれを学んできた、としつつも「教育」によって善意や愛他心だけに頼ると都合よく搾取される人間「獲物」を作りかねず利己的な人間を利することになりかねないと警鐘を鳴らすことも忘れていない
また「合理的な賢さ」だけでは解決できない解決策の一つとして「コミットメント」を「かしこい非合理性」として挙げている(提唱者は経済学者のロバート・フランク)
卑近な例でいえばスラップ訴訟でありトランプ大統領だ。タイムリーな事例に事欠かない。大方の予想に反して選挙戦そのままの大統領令を次々と発しているが、その法的有効性より世間に与える「予断」が及ぼす作用に注目だ
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