ホワイト企業

比嘉俊次

2014年02月15日 18:15

ホワイト企業
高橋俊介

PHP新書901

編集者の意向か、珍しく世間受けをするタイトルだが、世間で言われている「ブラック企業」の単純な対義語としての「ホワイト企業」ではない。企業倫理や経営者の道徳観の問題と説いているわけではない

2次産業で成功を収めた日本の人材育成モデル(そもそも素地が外国とは違うが)を、そのまま3次産業の人材育成に適用するだけでは足りない
「働きやすさ」と「働きがい」、「クレーム対応」と「ポジティブフィードバック」、「背中を見る」と「可視化」、そして「求める人材」とそれを定着させるプログラムなどなど、分かりやすい実例と端的な解説
・・・これが理解できないと「今の若者は・・・」「オレの時代は・・・」と齟齬に気が付くこともなく組織が衰退していくのかも


しかし・・・イギリスのIIP(Investors in People)という人材育成企業の認定制度。こうしたプログラムを開発し制度化するとこも実利的だが、すかさずライセンス化するところが、まったく敵わない
モンドセレクションからISOまで、国際競技連盟からノーベル賞まで、ライセンスフィーとルールブックメーカー、これは圧倒的に欧州のもの。アメリカも2進法の世界でようやく足場を築いたところだ。これは3次産業より高次の4次産業と言えないか。金融で英米が強いのも3次産業的な範囲の問題ではなく、英語とドルの本家である所だ。ライセンスやルールブックは「国際競争力」以前の問題だ

世界を魅了する「おもてなし」や「和食」も、JISや柔道連盟のように日本が本家を守ることができるか。そういう意味でも、筆者が沖縄で取り組んでいるプログラムを嚆矢として、洗練させたうえで早くスタンダード化を目指さなければ


関連記事