最後まで読んだ本
上半期は新しい仕事が多く、特にスポーツとビジネスとのかかわりに関する本や資料を集めて読み込むのに追われていた
だが「スポーツ」とはなにか、そしてビジネスとの関係についていろいろ知ることができた
やはりこの分野の日本での先駆者は広瀬一郎ということになると思うが、いろいろと新しい切り口、具体的な行動も出てきている
特に沖縄の事情にその知見の活用が期待される早稲田大学の原田宗彦教授(スポーツツーリズム推進機構会長)にはシンポジュウムにも参加して頂けた
それらについてはいつかまとめたいが、進行形でもあるのでいつになるか・・・
で、その間にいくつか空港などで見つけた中で、吉田一郎の「国マニア」が秀逸
国土を持たないマルタ騎士団や、特異な成立過程を持つアトス修道自治共和国、資源に翻弄された首都のない国ナウル、映画バトルロワイヤルさながらのピトケアン諸島、そしてイギリスの金融業を支える世界各地の「英領」などのウンチクが盛沢山、なだじゃないところが本書の面白いところ
著者の吉田氏はさいたま市議会議員(HPによると後に市長選出馬、落選、復職したようだ)で、行政機構や、住民感情などについても時折言及している。各国とも数ページずつの、コラム形式の本だが、特に国境が変わる際についての洞察にはそれが表れている
歴史も国境も人間が作るもの。そして「国」とは何かを実は深く考えさせる
橘玲の本は、なぜ?・・・という感じ。雑誌に載っているコラムで読むと面白いのに、単行本で読むとなかなか進まない
実は当たり前のことを書いているから?コラム用に書いたものだから?・・・三島由紀夫の文書読本を思い出した
あと、山岸俊夫の本はやっぱり数年おきに読んでおかないと、大学でのことを忘れてしまう。そして社会学もちゃんと進化していると確認できる。でも人間社会を分析する技術は進んでいるが、人間社会は進化しているのか。イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生など、国民の選択としては理解できるが、時代は一直線には進まない現実を目の当たりにした感じ
地球が丸いという知識は古代エジプト人やギリシャ人によって数百年にわたって受け継がれたが、その後千年近くもおおいがかぶされることになった。アポロが月に行って半世紀近くなるが、50年後の人類がまだ地上のことで精一杯だなんて思ったのは政治家だけかもしれない